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【ドクター・ストレンジ】アジア人男性役に白人女性を配役 ー ケヴィン・ファイギの後悔【マーベル】

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Marvel

2016年公開の映画『ドクター・ストレンジ』において、エンシェント・ワン役をティルダ・スウィントンが演じることが発表された際、「ホワイトウォッシュ(非白人役に白人俳優を起用すること)」と批判された。コミックではアジア人男性として描かれてきた役に白人女性を起用したためだが、マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギはこのキャスティングについて後悔しているという。

2021年9月公開のマーベル映画『シャン・チー/テン・リングスの伝説』についてMen's Health誌のインタビューにファイギはこう答えた。

とてもスマートで、最先端なことをしたと思っていた。

お決まりの古めかしい、しなびたアジア人ヒーローにしたくはない。でも、ある時ひらめいて『待て、他に解決する方法があるんじゃないか?お決まりのパターンではなく、アジア人を起用しない方法があるんじゃないか?』と思いました。もちろんその答えはイエスでした。

また、同作の監督を務めたスコット・デリクソンは次のように話す。

演じられるアジア人俳優について話し合っていました…が、アジア人女優が演じることを想像するとまさにステレオタイプなものになっていました。

映画の歴史も分かっていますし、アンナ・メイ・ウォン(ハリウッドで有名になった初の中国系アメリカ人女優)の映画でステレオタイプなアジア人女性が描かれていることも知っています。映画の歴史上でも、さらに言えばテレビでもずっとそのように描かれ続けてきました。私は悪いステレオタイプに加担しようしているんじゃないかと本当に感じたのです。

さらに、当時マーベル・スタジオは次のような声明を出していた。

エンシェント・ワンという肩書は誰にでも務まるものではなく、時代を越えて受け継がれるものです。この映画ではケルト族を具現化した存在です。

 

***2021/07/02 追記***

ケヴィン・ファイギのコメントに対して、エンシェント・ワンを演じたティルダ・スウィントンは以下のように語り、自身の配役が決定した際には疑問が生じたことを明かした。

(ケヴィンのコメントは知らなかったが、)彼がそう言ってくれたことにとてもとても感謝しています

また、スコットランド人女性がこのキャラクターを演じるということに対する世間の反応を見て、全く抵抗がなく、広く歓迎されていることを実感したことを覚えています。

観客は、物語に貢献したり、物語の中で意見を聞いてもらっていると感じることで、さらに力を得ていると感じています。

 

マーベルスタジオが初めてアジア系ヒーローを描く『シャン・チー/テン・リングスの伝説』は2021年9月3日(金)より劇場にて日米同時公開。

映画『ドクター・ストレンジは』4K UHD/BD発売中、またストリーミングサービス「ディズニープラス」にて配信中。

Source: 『ドクター・ストレンジ』でエンシェント・ワン役に白人女性を起用したことをケヴィン・ファイギが後悔していると告白Tilda Swinton Reflects on Dr. Strange Controversy, Is 'Very, Very Grateful' For Kevin Feige Ancient One Comments - IGN