スタジオ・ウォッチャー

Studios Watcherは、映画『アベンジャーズ』『ブラック・ウィドウ』やドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」「ロキ」などのMCU/マーベル・スタジオを中心に、映画情報を発信します。

【ファルコン&ウィンター・ソルジャー】出演者が語る鑑賞前に知っておきたい8つのポイント【マーベル】

マーベル・スタジオ制作のドラマシリーズ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」第1話の配信を前に、ファルコン/サム・ウィルソン役アンソニー・マッキー、ウィンター・ソルジャー/バッキー・バーンズ役セバスチャン・スタン、監督カリ・スコグランド、脚本マルコム・スペルマン、そしてマーベルスタジオ代表ケヴィン・ファイギがオンライン記者会見に出席した。

本記事では、会見で出演者とスタッフら制作陣が明かした「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」鑑賞前に知っておくべき8つのポイントを整理する。

この記事は映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』のネタバレとなる内容を含むため、閲覧にはご注意ください。

"MCUのホーム"、ディズニープラス

記者会見が始まり、ファイギは配信サービスのディズニープラスがどれほど物語とキャラクターに貢献しているかを強調した。
MCUの物語にとって、ディズニープラスのオリジナルシリーズと劇場公開映画は同じように重要なのだ。

テレビだからといってスケールが小さくなるわけではありません。映画と同じように懸命に、血と汗と涙を注いで働いているのです」とファイギは語る。

また、視聴者が期待するシリーズの幕開けについては次のように話す。「ファルコンとウィンター・ソルジャーのシリーズを作るなら、少なくとも今まで観た中で最高のアクションから始まる必要があります…深堀する良い機会となりました」

ヒーローの陰に立つサムとバッキー

数年間にわたり公開されたいくつかの映画を経て描かれたキャラクターについて、来たるドラマシリーズではマッキーとスタンはエキサイティングなところを教えてくれた。

マッキーは、スタン・リーが手掛けたコミック版のサム・ウィルソンとの違いがどのように「アフリカ系アメリカ人文化」を発展させたか、そして「背景、家族、周囲の人々を深く描く」ことによってシリーズの中で「新しく進化した」サム・ウィルソンを視聴者に届けることをどれほど心待ちにしていたかを語った。

「サム・ウィルソンのアイデアはーー常にマーベル・コミックの世界で進化してきて、ついにマーベル・シネマティック・ユニバースの世界でも進化を遂げます。アフリカ系アメリカ人文化の発展として、スタン・リーはコミックの中でサムを異なる形で表現しました。新しく進化したサム・ウィルソンを皆さんにお届けできるのが待ち遠しいです

スタンはサムとバッキー、マッキーとスタンのダイナミックさを融合させ、キャラクター自身に描く余地を与えたバッキーのユーモアを研ぎ澄ませたスペルマンの功績を称えた。「ついにバッキーがアイデンティティを追求し、過去を受け入れ、今の世界を再び学ぶ姿を取り上げます。ある時点で彼が生きてきたであろう理想と原理は、おそらく同じようにはもう役に立たないでしょう。番組の初めには彼はある意味で興味深い軌道の上にいて、やはり俳優にとっては非常にエキサイティングなことです」

MCUの風変わりな二人組

会見の中で、スコグランドとスペルマンの二人は物語のトーンを最終化する際に役立った外部影響ーーいわゆるバディ・コップ・フランチャイズについて話した。スコグランドは『真夜中のカーボーイ』とデヴィッド・リーン監督を挙げた。

スペルマンはこう話す。「『48時間』のようなリアルなものから『ラッシュ・アワー』のようなコメディまでありますが、中には『リーサル・ウェポン』や『バッド・ボーイズ』のようなものもあります。セバスチャンとアンソニーがそれらを真似て魔法を作り出せるだけではなく、より大きな創造性を発揮できるところがお気に入りですーーもしリアルな事象やとても"マーベル"らしいものを描く必要があるなら、ストーリーテリングの形式としては非常に、非常に恒久的なものです

マッキーは次のように語った。「素晴らしいところ…というか私が楽しんだのは、セバスチャンと私ほどお互いに真逆の人間はいないということです。お互いに最善を尽くすために、時には正し合うのです」

遺されたシールド

アベンジャーズ/エンドゲーム』の最後のシーンでは、老いたスティーブ・ロジャースキャプテン・アメリカの盾をサム・ウィルソンに手渡した。マッキーはこのときのサムの内なる思いについてこう語る。「アベンジャーズとしてスティーブと過ごした6つの映画はサムの全てでした。彼を尊敬し、敬愛していたのです。キャプテン・アメリカがあなたの家のドアを叩いたら、あなただって応えるでしょう。ミッションに参加できず、友人を助けられないことは苦痛なんです。友愛や友情の大切さを本当にわかっている人々はまだいます。サムはその一人なんです。彼は他の皆と同じように、スティーブ・ロジャースが死ぬのを見たくない。キャプテン・アメリカは皆のキャプテンで、サム・ウィルソンのキャプテンだから。だから『エンドゲーム』の最後に盾を持ったとき、借り物みたいだと言ったのです。あなたのものだと」

『エンドゲーム』とヴィラン

スペルマンは『エンドゲーム』後の世界において、シリーズの悪役はそれ程大きく変わらないことを明らかにした。「サノスは、あるいはサノスを処刑したことが、世界全体がある一つの問題に取り組まなければならない状況を作り出しました。このシリーズのヴィラン達はそれに応えています。実際、全てのヴィランは自分がヒーローだと思っています。ヒーロー達は人生の中でそれに応えているのです。自然なことですね。そして『エンドゲーム』後から続くことが地球上の全員に影響を与え、同時に素晴らしい結束とMCUに直接繋がる血筋を生み出すのです」

世界の重圧

アイアンマン3』でニューヨーク決戦後のトニー・スタークのPTSDを、「ワンダヴィジョン」で双子のピエトロと愛するヴィジョンを失ったワンダ・マキシモフの悲しみを描いた。「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」では、サムとバッキー指パッチン後の状況を利用した脅威に立ち向かいながらも、二人が人間的に葛藤する。

ファイギはこう話す。「マーベルのキャラクターの素晴らしいところは、いつも言っていますが、欠点があることです。MCUをクレイジーで壮大でSFでファンタジーで超自然的にするために、キャラクターの経験と感情に基づいています」

スタンは次のように語る。「サムとバッキーには、自分たちの人生と悪魔に直面するという点においては、スティーブがいなくなったことが真逆に働きました。彼らは別々に受け止めますが、問われていることは同じなのです」

PTSDと彼らが兵士として得た経験という主題は、二人に共通するものです。二人が違う考えや意見でもある種の倫理規定があり、深く尊重していて…皆さんも知っているように、PTSDは消えるものではなく、成長とともに続き上手く付き合っていかなければならないものです。現実的な方法で二人のキャラクターを描く上での基礎であり、この番組の大部分を占めることは明白です」

「ワンダヴィジョン」の影響

直近のマーベル・スタジオの「ワンダヴィジョン」の成功と次のディズニープラス向けシリーズおよび劇場用映画のプロジェクト候補について、ファイギはこう説明する。「ディズニープラス向けシリーズとマーベル・スタジオ映画をずっと行ったり来たりしています。キャラクターがどこに、どのように登場するかはシーズン2にも直結します。時には映画の後に追加のシーズンを作ったりもします。今はまだ誰が何をするかは言えません。」

今のところはサムとバッキーの物語に集中した方が良さそうだ。「サムとバッキーのキャラクターはMCUにとって必要不可欠なものです。彼らが変化し、進化し、何であろうと経験することで、MCUに大きな影響を与えます。キャラクターの変化は、将来私たちが描く物語にとても強く密接に関連しているのです。全ての要素が世界中に大きな影響を与えるわけではありませんが」

スティーブ・ロジャースの誇り

マッキーはこのプロジェクトで心配だったことを語ってくれた。「既にセバスチャンとも話しましたが、私たちの目標は失敗することではありません。マーベルのプロジェクト初の失敗になりたくはありませんから。私たちの仕事は伝統を引き継ぐことで、ダメな番組を作ることではありません。非常に幸福なことに、スティーブ・ロジャースも私たちの番組が最高の出来であることを誇るでしょう

会見の終わりに、ファイギはシリーズを完成させたチームを強調し、マッキーのコメントに言及した。「このような挑戦は初めてで、非常に興奮しています。アンソニー・マッキーセバスチャン・スタンのような素晴らしい俳優がいなければこのキャラクターに命を吹き込み、6時間の作品を作り上げ、ディズニープラスで配信することはできなかったでしょう

「さらに、もちろんマルコムとカリもこれまで以上の方法でキャラクターに命を吹き込みました。それだけではなく、Nate MoreやZoie Nagelhoutも毎日この番組に取り組み、アンソニーが言ったように『最高の出来映え』です」

ドラマ「ファルコン&ウィンター・ソルジャー」は2021年3月19日(金)16時よりディズニープラスにて日米同時配信。

Source: 8 Things We Learned from ‘The Falcon and The Winter Soldier’ Press Conference | Marvel